
ペッパーランチが食べたい!
あのジャンク感が好きなんですよねー
家でペッパーランチ風のレシピで作ったものもおいしいのですが、外で食べるものもやっぱりうまい!
そんな「ペッパーランチ」や「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスですが、皆さんご存じの通り2020年5月現在、経営危機に瀕しています。
かなりヤバそうな感じです。
この記事ではそんなペッパーフードサービスの状況についてまとめました。
ペッパーフードサービスの状況
まずは2019年12月期の決算ですが、はっきり言ってヤバいです。
貸借対照表を参照すると、手元資金と言える現金・預金と売掛金よりも、近いうちに支払う必要がある買掛金、未払金が多い状態です。


ぱっと見でも50億以上現金が足りなさそうに見えます。
ということで、資金調達しながら本業の利益を出して不足分を補いたいところですが。。。

本業の収支を示す営業キャッシュフローもマイナスなので、本業の成績も芳しくないことがうかがえます。
よって銀行からの資金調達は難しそうです。
更に会社の資産総額から負債総額を差し引いた金額である、純資産が激減しています。
2018年度末は37億強ありましたが、2019年度末には6億弱に激減しています。
自己資本比率も最低でも15%は欲しいと言われるところ、2%となっているので、借入がかなり多くなってしまっていると思われます。
見かけたら誰でもわかるヤバいシグナルである、継続企業の前提に関する注記もついています。
事業を継続できるか怪しいかったらつくものなので、まあ、ピンチです。
新株予約権の発行で当座の資金を確保しようとしたが。。。
どう考えても手元資金が足りないので、ペッパーフードサービスは、新株予約権を行使することで、資金を確保しようとしました。
日本法の「新株予約権」の概念は2000年代に入り商法改正によって導入されたもので、従来の転換社債の転換請求権、ワラント債の新株引受権、ストックオプションをあわせて「新株予約権」として再構成したものである。なお、転換社債と非分離型ワラント債は「新株予約権付社債」として一本化されたが、分離型ワラント債については社債と新株予約権の同時発行として構成されたため新株予約権付社債の概念からは除外された。
※ウィキペディアから引用
2019年12月に決議された新株予約権の発行によって、株価が落ちなければ、64億円程度の資金調達ができたはずでした。
そう、株価が落ちなければ。。。
新株予約権の発行によって、調達できる資金の額は、行使時点の株価に依存します。
ペッパーフードサービスは修正条項に「終値の92%に相当する額で、行使価額の下限は666円」として、万一下限での行使となったとしても、1年以内に返済予定の借入金分は、資金調達ができると思っていたでしょう。
ちなみに、当初行使価額が1,332円でしたので、69億円程度の資金調達ができる予定でした。
[balloon_left img=”https://metabonblog59.com/wp-content/uploads/2020/05/ふきだし.png” caption=”めたぼん”]新株予約権の発行を決めたのは2019年12月です[/balloon_left]
その後コロナショックが発生!
2020年1月15日に新株予約権の発行を始めたため、ある程度は株式が発行され、17億円程度の資金は確保できたようですが、3月上旬には下限の666円を割ってしまったため、資金調達の目途が立たなくなってしまいました。
このままでは、今年中に返済予定の借入金分すら手元資金が足りていないという状態です。
加えて、これらの情報はコロナショックによる店舗休業による損失等は考慮していません。
フランチャイズなどもあるため具体的な金額の推察は難しそうですが、ただでさえ採算が取れていなかった中、家賃などの固定費を垂れ流す状態になっているため、更に目先の状況は悪くなっていそうです。
いきなり!74店舗閉店したいきなり!ステーキ
いきなり!ステーキは事業がぜんぜんうまくいっておらず、2019年12月期の成績は、営業利益ベースで前年比約80%減となっています。
[balloon_left img=”https://metabonblog59.com/wp-content/uploads/2020/05/ふきだし.png” caption=”めたぼん”]ヤバいです[/balloon_left]
そこで、2020年2月末の決算説明会で74店舗の閉店を発表しました。
急速な店舗数拡大によって、いきなり!ステーキ同士での競合も起きていたと、ペッパーフードサービスも認めるほどなので、仕方ないなーとは思います。
ネットの声も見てみましたが残念そうな声が結構多かったです。
行ける範囲にあったいきなりステーキがあと数日で閉店してまう😢
— りおん (@momomotaro) April 15, 2020
田舎だから行けるいきなりステーキないから悲しい💧💧 pic.twitter.com/ZkC9Otu2oA
閉店するのにも退去費用やテナントを抜ける際の最低限の原状回復などでお金がかかるので、結構な損失を計上するはずです。
更にお金が飛んでいきます。
ペッパーランチ事業は分社化
私が大絶賛食べに行きたいペッパーランチは、業績を見ると2019年12月期の成績は、営業利益ベースで前年比10%減となっており、いきなり!ステーキと比べれば全然戦えている状態です。
そんなペッパーランチは4月末に子会社として事業を切り離すことが発表されました。
ペッパーフードサービスは30日、ステーキ店「ペッパーランチ」の運営部門を分社化し、6月1日付で新会社「JP(ジェイピー)」を設立すると発表した。本体と切り離すことで意思決定を早めるとともに、資金調達を円滑化させる狙いがある。
新会社は株主総会の承認がいらない「簡易新設分割」で設立する。資本金は1000万円。本社は東京都墨田区のペッパーフードの本社内に置き、同社の一瀬邦夫社長が代表に就く。
ペッパーフードは主力のステーキ店「いきなり!ステーキ」の運営などに専念する。いきなりステーキは競争激化などで既存店売上高の減少が続き、2019年12月期の連結最終損益は27億円の赤字だった。分社化を通じて経費を削減し、財務の立て直しを図る。
※日経新聞電子版より引用
新会社の設立のためにも人件費、手続きにかかる費用が出ていきます。
更にお金が飛んでいきます。
というか、なんでペッパーランチだけ会社を切り離したんですかね?
「財務的に健全な子会社を通して、なんとか資金調達したい」
という意図もありそうですが。。。
[balloon_left img=”https://metabonblog59.com/wp-content/uploads/2020/05/ふきだし.png” caption=”めたぼん”]ただでさえお金足りないなかやるなんて、ちょっと邪推しちゃうね[/balloon_left]
知り合いの会社の社長個人から20億円借入(2020年6月1日更新)
やっぱり目先の借入金返済、コロナショックと大量閉店で、運転資金が不足していたところ、なんと食材供給元であるエスフーズの社長さん個人から20億円を借りたそうです。
[balloon_left img=”https://metabonblog59.com/wp-content/uploads/2020/05/ふきだし.png” caption=”めたぼん”]わかっちゃいたけど、銀行は貸してくれなかったんですかね[/balloon_left]2カ月で返済予定と短期的な借り入れで、焼け石に水なように見えますが何らかの光明があるのでしょうか?
ネットニュースを見ていると、いきなり!ステーキは値下げによってコスパは上がっているそうです。
ペッパーランチ事業を売却と報道(2020年6月18日更新)
売却額は100億円近く、とのことですので当面の運転資金は確保できそうですが、今のところ採算が取れていない「いきなり!ステーキ」事業を何とか立て直してほしいところです。
競合も増えてきている、かつ外食の受領が落ち込んでいる状況なので厳しそうですが。。。
ペッパーランチがなくならなさそうなのは個人的にうれしいです。
[balloon_left img=”https://metabonblog59.com/wp-content/uploads/2020/05/ふきだし.png” caption=”めたぼん”]また食べいこっと[/balloon_left]
まとめ
いきなりステーキステーキは高くてあまり行かないので個人的にはなくなってもさみしくはないですが、
ペッパーランチは3カ月に1回くらい食べていたのでなくなってほしくないなーと思っています。
コロナ問題が収束したら一度食べに行こうと思います。
[balloon_left img=”https://metabonblog59.com/wp-content/uploads/2020/05/ふきだし.png” caption=”めたぼん”]でもペッパーランチって近所にないんだよね[/balloon_left]
この記事作成時点で、2020年1~3月の決算は発表されていません。
どんな発表があるか気になるところですが、近々ペッパーランチは食べてこようと思います!